2015/09/30 10:42

インド製の腕時計ブランドHMT

  
1961年にシチズンとHMTが技術提携して製造した機械は、 かつてのシチズンホーマーに使われていたものと同じです。

HMTとはイギリスの植民地時代に、インドの近代化を目的とした国営企業として、イギリス政府により設立。設立当初はポンプの製造会社としてスタートしたが、徐々に業務内容を拡大し、機械製造分野へと発展。時計の製造だけに留まらず、NC制御精密製造機械から乾電池までと幅広く世界でもトップレベルの企業と技術提携をし、現地生産を繰り広げている。 日本では、シチズン、日立、マクセル、ドイツのシーメンスやイタリアではオリベッティなどが技術提携及び現地での生産を行っている。 時計の生産は創業当時から行われていだが、時計部門として独立したのは1953年、スイスや日本の技術を取り入れた手巻き式の時計から生産を開始し、自動巻き時計の製造にも着手した後、1970年代にはアナログとデジタルのクォーツ時計の製造にまで技術と規模を拡大。 時計は細部に至るまで、すべて自社で製造されISO9000(国際品質標準化機構)に基づいて製造されている。ムーブメントの中で機械式の手巻きムーブメント『キャリバー023』がある。センターセコンドの3針時計で『ショックアブソーバー/耐震装置』にパラショックが使用されている。 パラショックは1956年にシチズンが開発した日本で最初の耐震装置である。日本ではなじみ深い機構で、その品質の高さから当時の日本では国鉄をはじめ、多くの電鉄の鉄道員用として、ホーマーというモデル名で支給されていた。 高品質の製品を生産するために日本の技術を学び、今日においても標準規格としてパラショックを製造し搭載している。軸受けに17石を使用しアンクル式の脱進機を採用した確かな製品として作り込まれている。